こんにちは!尾形雄樹です。今回ご紹介するのは、このブログのデザインにも使用している、【台中メトロポリタンオペラハウス(台中国家歌劇院)】です。※地名をクリックするとグーグルマップに飛びます。
台中メトロポリタンオペラハウスは、台中駅からバスで15分ほどの距離にあります。この建物は世界的に有名な日本の建築家の伊東豊雄氏による設計です。2016年に竣工し、大中小のホールからリハーサル室・レストランを含むオペラホールとなります。「内部と外部がつながるような建築」と伊東氏が述べるように、システム化された曲面のチューブの連続により、洞窟のような原始的な空間が演出されています。特異な建築形態から台中市の観光地としても有名です。
私も有機的な建築形態に興味をもち、建物の建設中に日本で開催された展示会にも訪れていたこともあり、実際の空間を体験してみたいと前々から思っていたため、念願の訪問となります。
今回はこの建物について、外観はもちろん、中に取り付けられた照明や機器等までくわしく紹介していきます!
■外観
まずは、この目を惹く外観の紹介です。
■内部空間
・吹抜け
建物に入ると上部に5層分の吸い込まれそうな吹抜けがあります。
・1階平面
案内図はどこかの集落の配置図のような不思議なものでした。
・色彩計画
白を基調とし、アクセントとして藍色やえんじ色が使用されています。
・内部構成
床・壁・天井が連続的につながっているシームレスな空間となっておりますが、仕上げの違いにより壁と床がゆるやかに区別されていました。
■ルーフガーデン(屋外庭園)
屋上に上がると各コアの塔屋の合間をぬって通路が配置され、その周りが緑化されているルーフガーデンに出ます。
■設備
・給排水設備
水回りなどはチューブ中の垂直方向にまとめられていました。
このような構成は「せんだいメディアテーク」が想起されます。
・空調設備
1層程度の空間ではダクト吹出しによる空調、大空間では空調が必要な場所に床下からのスロット型吹出しの空調となっていました。
・照明設備
必要な場所へ天井をつくった中に仕込まれ、照らされています。
外部に閉じた空間では、暗さを作ってから必要な照明を設置することによって演出されています。
ここの円形窓の採光は、「座・高円寺」に近しいものを感じます。
その中でも特に天窓からの光が印象的でした。
・消火設備
躯体(建物の構造を支える骨組みのこと)に直接埋め込まれ、列状に設置されています。防火区画などはどのような計画となっているのか気になります。
・空間体験の感想
個人的な感想としては「ずっといられる、楽しい建築」。
床・壁・天井がシームレスに続いている空間は「この先はどうなっているのだろう」と進んでみたくなったり、「ここはどのような使われ方をするのだろう」という使い方を想像してしまう魅力や、光の陰影の移り変わりをずっと眺めていられるような、空間の現象に興味を抱く建築でした。
計画から施工までの実現に至るエネルギーは図りしれません。
莫大なエネルギーによって形成されている、これまでになかった新しい建築物が実現していくと、今後の建築はどこまで進化していくのかと考えさせられます。
この旅では今回訪れたオペラハウスのように先進的な現代建築から、古代から残る歴史的な建築まで見て、様々なものを吸収していきたいと思います。
建築に興味がない方でも一見の価値あり!「台中メトロポリタンオペラハウス」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回のオガ旅もお楽しみに!
株式会社翔設計、海外特派員の尾形雄樹でした!