こんにちは!自我が芽生え始めたiPhone5がついに自立(崩壊)したため、新たなiPhone5Sにグレードアップしウキウキな尾形です!(iPhone8/Xが発売されている現代にてものすごいマイナーチェンジですが……笑)
さて今回はバンコク郊外にある学校です!レンガ造りの、一見すると学校とは思えない不思議な雰囲気の建物です。せっかくなので道中のエピソードを交えながら紹介していきます。
【カンタナ学校】
バンコク市内から35kmほど北西に離れた場所に位置するカンタナ学校。交通費を抑えるため、バスと電車を乗り継いで向かうことに。途中乗り換えのバス停で座って待っていると、隣のおじいちゃんがどこに行くのかと尋ねてきました。
電車に乗るため近くの駅に行きたい旨を伝えると、そこに向かうバスがないそうでバス待ちの周囲の人(5~6人)を巻き込んであーでもないこーでもないとルートを議論する事態に。打開策がなかなか出ない中、一人のおばちゃんが「これに乗りな!」と教えてくれたバスに乗り込みました。見ず知らずの観光客にこんなに親切なタイの人々。タイの温かみに触れた瞬間でした。
バスに乗っていくと着いたのはバスターミナルでした。ここなら駅行きのバスが見つかるだろうと思いきや、長距離バスのターミナルだったため、ローカル路線のバスは少ないということが判明。仕方がないので駅までタクシーでいくことにしました。タクシーの運転手さんに行きたい駅を伝えてもいまいちピンときてない様子。もうすでにここまでで時間がかかってしまっているため、とにかく進んでもらうことに。15分程乗り、駅に着いたら……。なんと電車が動いていていないとか今は使われていないとかで電車が使えないとのこと!!!結局そのままタクシーで学校まで向かうことになりました……。(時間もお金もかかってしまうという残念な結果に……。まあ、旅あるあるです 笑)
そんなこんなでようやく学校に到着しました!明らかに異質でありつつも、木々に溶け込んでいる建物が見えてきました。
ここは映像・アニメーションを学ぶための、2011年に建てられた学校です。
設計者はタイの建築家、ブーンサルム・プレムサダ氏。
南北の軸がズレた十字形の通路を中心に5つの機能(管理事務所、講義室、ワークショップエリア、図書館、食堂)をもつ施設です。
建物を特徴づけているジグザグなレンガの外壁は、レンガの新たな使い方を提案しつつ、周辺の土地のレンガを使用し地元産業にも貢献できるものになっています。
■通路・樹木
通路や中庭に挿入された森林は、作成中でも移動中でも集中できるようにするための瞑想空間としての役割を担います。学校に瞑想空間って……すごい……。確かに集中できそうな木漏れ日の空間でした。
■食堂・トイレ
なんとも開放的な食堂。厚みのある壁の開口からの光の入り方がなんとも気持ちいいです。
ついでに食堂の屋根と十字の壁との接続部分。通常は何かしらの止水処理がされるはずですがシーリングもなし。簡単に雨水が入ってしまいそうですが……。
開口補強されているトイレの入口をくぐると、正面はガラスで中庭に面しています。
■図書館
お次は図書館。中庭を囲む形状で、最小限しか開けられていない外壁の窓と対照的に、ガラス張りの中庭からは多くの光が取り込まれています。
また、所々天井から水漏れしていました。場所は外周や中庭の壁に近い箇所です。先ほどの屋根の止水処理がされていないような所などから水が回ってしまっているのだろうと思われます。
■講義室・ワークショップエリア
講義室前の壁。この厚みのある壁・開口はコルビュジエのロンシャンの礼拝堂(13 Rue de la Chapelle, 70250 Ronchamp, フランス)が想起させられます。
ちなみに【ロンシャンの礼拝堂】の場所はこちら。
休み時間も気持ち良く過ごせそう。
ワークショップルーム前の通路。
■管理事務所
■その他の施設など
遠目になにやら白い建物が……。近づいてみると……。
「んっ?柱が落ちてる」
……発砲スチロール!!!!!なんとこの素敵な宮殿は発砲スチロールでできていました。あ、あやうくだまされるところだったぜ……。(←完全に立派な建物だと騙されていました。)
また、別の所では……。
ん?
んんん?
「ぐわしっっっっっ!!!」
まことちゃんもびっくりの「ぐわしっっっっっ!!!」な像でした。あ、いや、まことちゃんが曲げる指とは1本違います。ちなみにこの指のサイン、スペイン・イタリアでは「あなたの恋人は浮気している」という意味だそうです(笑)(も、もしやそういうシンボルなのか……?)
編集注)タイでは「愛」を意味するサインだそうです。手話でも「I LOVE YOU」の意味で使われているそう。変な意味でなくてよかった!
その他の施設のくせが強すぎでメインの建物の印象が薄れかかってますが……。凹凸のある素材のレンガをさらにジグザグ形状で変化をつけた上に、さらに樹木の影を投影し表現する壁の作り方がとても秀逸な校舎でした。
シンプルな素材の組み合わせを最大限活かした建物、厚みのある壁・開口からの光の調和、カンタナ学校。市内から少し離れますが、バンコクに行った際はぜひとも訪れて頂きたい建築です。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回のオガ旅もお楽しみに!
株式会社翔設計、海外特派員の尾形雄樹でした!
壁一面にラクガキがある市内のレストランにて